日本ではまだほとんど知られていない「イエロードッグプロジェクト」という運動の意味。
少しでも多くの人に知っていただきたいと思い、記事にさせていただきます。
こんにちは。
『マノミリパパ(@rokurou_mano)』です。
この記事にて、イエロードッグプロジェクトの詳細や、リードなどに黄色いリボン等を付けているワンちゃんにどういう意味が込められているのかについてご紹介していければと思います。
このブログ程度では非常に微々たる力ではありますが、日本にイエロードッグプロジェクト(イエローリボンドッグ)という考え方が浸透することを願い、書かせていただきます。
イエロードッグプロジェクトとは
イエロードッグプロジェクトとは、2012年にスウェーデンで始まった運動であり、何らかの理由によって自分の犬に近づいて欲しくない時に、リードなどに黄色いリボンを結び付けることで「そっとしておいてください」ということを伝えるものです。
「イエローリボンドッグ」とも呼ばれます。
このイエロードッグプロジェクトには、すぐに賛同の声が多く寄せられ、欧米諸国を中心にどんどん広まっていますが、日本ではまだあまり認知されていません。
早く、日本でも認知されて欲しいなと願っております。
なお黄色いリボンについては、主にリードに付けられていることが多いですが、リードだけとは限りません。
また、結び付けたり身に付けたりするのは黄色いリボンがほとんどではありますが、黄色い何かで代用することもあります。
従って、リードや首輪や飼い主のバッグなどに、目立つような黄色い何かがあるような場合は、飼い主も犬も、そのワンちゃんに近付かないようにしてあげてください。
なぜイエロードッグプロジェクトに強く賛同したか
実は、我が家の愛犬である二匹のカニンヘンダックスも、過度に臆病で、他の犬にやたら吠えてしまうという状況にあります。
二匹とも、散歩デビュー直後からトレーナーの指導に従って散歩中のトレーニングを続けてきましたし、しつけ教室にも家族一丸となって通っていましたし、最終的にはしつけ専用の施設に数週間預けてみるということも試してみました。
その結果、かなり改善はしたものの、やはり根本的な性質というのはなかなか変わることはなく、他のワンちゃんが苦手な状態は続いております。
ちなみに、こちらが我が家の愛犬たちの姿です。
※どちらの年齢も2022年2月現在
■2歳7か月の姉犬「マノ」(ブラックタン)
■1歳7か月の妹犬「ミリ」(シルバーダップル)
親ばかですが、普段はお利口さんで、よく言うことも聞いてくれる子たちなのですが、ワンちゃんを連れた飼い主さんから「こんにちは~」とやさしく挨拶をしていただいても、臆病さからか、相手のワンちゃんに対して吠えてしまうことが多い状況でして・・・。
犬同士で交流させようとするのは普通の行為ですし、むしろ犬の社会化をより進めるためにも、可能ならばできるだけ交流はさせた方がいいので、声を掛けてきてくれる飼い主さんの行動は間違っていません。
しかし、せっかくお声がけいただいたのに、結果的に我が家のワンコたちがワンワン吠えまくって終わってしまう、ということが多く、相手に対しても申し訳ないですし、愛犬たちのストレスになってしまっているのも可哀そうです。
何のしつけもしない状態で他の犬が苦手ということならば、社会化を進めるためにもっといろいろとやれることもあると思います。
しかし、子犬の頃から社会化のためのしつけを強く意識してきた結果がこういう状態となると、これはこれで愛犬の個性なのだから、強引に急激な社会化を求めるのも違うのかなと考え始めました。
ドッグトレーナーの資格も持つ獣医師さんからも、こう言われたことがあります。
人間だって、一人でいることが好きな人もいるわけですし、当然ワンちゃんにもそういうタイプはいるものですよ。そこは個体差なので、あまり気にせずゆっくりと慣れさせていってください。
この言葉にも助けられ、我が家では今後ものんびりと社会化を進めていこうと思っています。
犬の社会化期は生後3か月半くらいまでですが、それは社会化しやすい時期というだけであって、正確には犬の社会化は一生続くものですし。
このように、散歩中に愛犬が吠えてしまうことが気になっていた時期が長かったため、イエロードッグという存在に強く興味を持ち、こういった運動に賛同した次第です。
イエローリボンを付ける犬たちの特徴
「イエローリボンを付けている犬は、絶対に吠えまくるし、なんなら急に噛みついてくることもある危険な犬ってこと?」
こんな誤解をする方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
黄色いリボンは様々な理由で付けられており、犬と人間との間で互いにストレスなく過ごすためのものとなっています。
人間に危険はなくとも、ただ触られるだけで犬としてはストレスになる場合もあるのです。
以下に、犬がイエローリボンを付けるケースについて紹介します。
保護犬
保護犬とは、人間側の都合で捨てられてしまった結果、保護された犬のことを指します。
- 犬が飼えない家に引っ越すから
- しつけが難しいから
- 自由に出掛けられなくなったから
- 全然なつかないから
主にこうした飼い主による身勝手極まる理由で、保健所などに保護されている犬のことです。
犬には微塵も罪はなく、飼う側の意識の低さによって生み出されてしまっている存在とも言えます。
また、迷子になってしまったことで保護され、そのまま保護犬として扱われるというケースもあります。
こういった犬は、一度飼い主から見捨てられたというトラウマや、過去に虐待を受けていたなどの記憶から、人間や犬に対して極端なまでに恐怖心・警戒心を持っていることがあります。
そのため、なかなか人や犬に心を開こうとせず、接触を嫌うということも多いです。
こういった犬に対し、興味本位で近付いて撫でようとすることで犬がパニックになってしまい、場合によっては反射的に噛みついてしまうこともあるかもしれませんし、なによりワンちゃん自体に多大なるストレスを与えてしまいます。
イエローリボンの犬が噛みついてくる危険がある、と言われるのはこういうケースであり、決して犬が悪いわけではなく、原因は「人間側の不用意な行動」にあります。
迂闊に手を出す前に、黄色いリボンが付いていないかを確認してみましょう。
前述の通り、まだまだイエロードッグプロジェクトの活動は認知されていないので、保護犬といえどリボンが付いていない場合もあるので、初見の犬に対して無造作に触りにいくという行為は避けた方がよいです。
保護犬に限らず、初めて接触する犬を撫でたい場合は、まず飼い主に一声かけた後、ゆっくりと手の甲を近づけてにおいを嗅がせてから、大丈夫そうなら撫でる、という流れを遵守すべきでしょう。
社会化のためのトレーニング中
子犬はみんな、散歩ビギナーです。
個体差があるので、いきなり人懐っこい・犬懐っこい子もいるでしょうが、そうではなく臆病な子もたくさんいます。
実際、我が家の場合は二匹ともそうでした。
臆病な子犬に対し、不用意に見知らぬ人や犬が近づいていくと、恐怖心から吠えたててしまい、より散歩が苦手になってしまいます。
従って、こういった臆病な子犬にはイエローリボンが付いているケースがあります。
子犬を見つけた場合は、まずイエローリボンの有無を確認してしてください。
リボンがなかったとしても、子犬連れの飼い主の方から近寄ってくるまでは待つべきです。
「個体差」や「トレーニングがどの段階なのか」は、見た目ではわからないのですから。
過度に他の犬が苦手
適切に社会化のためのしつけを行なっても、臆病さや警戒心が強いままのワンちゃんもいます。
我が家のワンコたちが、まさにそうです。。。
こういった犬の場合、焦らずゆっくりと社会に慣れさせていく必要があるので、「まだ今はそっとしておいて」という意思を示すためにイエローリボンがリードに結ばれている場合があります。
なお散歩をしていると、イエローリボンこそ付けていませんが、「もう成犬だけど、過度に臆病だからあまり他の犬と接触させたくない」と考えながら散歩をさせている飼い主さんの動きはすぐにわかります。
なぜなら、僕も同類だからです。
まず、犬連れで散歩している人を見ると、なるべく距離を取ろうとするのです。
そして、決してこちらと目を合わせようとしません。
これはもう、イエローリボンの代わりとも言えるサインですね。
こういった飼い主さんとワンちゃんを見かけたら、できるだけ距離を取るのがマナーかなと思います。
健康上の理由
- 病気を治すための手術をしたばかり
- 怪我のリハビリ中
こういった健康上の理由から、あまり他の犬や人に構って欲しくないという時もあります。
人懐っこい犬の場合、構いに来てくれたと思ってはしゃいだ結果、せっかく治りかけていた怪我が悪化してしまうということも考えられます。
相手にそんな迷惑をかけてしまうことを避けるためにも、黄色いリボンがついていればもちろんのこと、リボンがなくともそういったワンちゃんには不用意に近づかないようにすべきでしょう。
イエロードッグを見かけた時に取るべき行動
前述の通り、リードなどに黄色いリボンが結ばれている場合は、何らかの理由で放っておいて欲しいワンちゃんなので、見かけた場合は決して自分から声を掛けたり撫でに行ったりはしないようにしましょう。
特に、犬の散歩をしている時は要注意です。
飼い主側に行く気がなくとも、連れているワンちゃんの方がイエロードッグの方へ寄って行ってしまうかもしれません。
そうならないよう、イエローリボンが目に入ったら、すぐに自分のワンちゃんの動きを制御して近付かないようにしてあげてください。
黄色いリボンが結ばれている犬は、人間だけでなく他の犬も苦手である場合が多いですので。
とにかく、イエロードッグには「一切関わらない」・「近づかない」ということが思いやりとなります。
日本ではまだ認知度の低い黄色いリボンを結んでいるくらいですから、よほどそっとしておいてして欲しいはずです。
もし目に付いたら、そっと離れてあげるようにしてください。
できれば、自ら道を譲り、イエローリボンを結んだ犬と飼い主を優先的に通してあげるようにしてください。
安易なイエローリボン装着は考えもの
うちの子、散歩中にワンワン吠えるし、黄色いリボンを付けちゃおうかしら?
ここまで記事をお読みになった方の中には、こう考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、すぐにそう考えてしまうのは早計です。
イエロードッグというほどではないのに、「散歩中に吠えられるのが嫌だから」という理由で安易に黄色いリボンを付けてしまうと、愛犬の社会化の機会を奪ってしまう可能性が出てきてしまうからです。
もちろん我が家も、イエローリボンは付けません。
前述の通り、ゆっくりとでも社会化を進めていこうと思っています。
人に対してはほぼ大丈夫ですし、気が合うワンちゃんもたまにいるので、大丈夫そうな時は積極的に犬同士で交流させたり、人に触ってもらったりしています。
黄色いリボンを付けるかどうかは、愛犬の状態をよく見てあげて、愛犬のためにも周囲に迷惑をかけないためにも、どうしても必要だと判断した時のみ付けるようにすべきでしょう。
最後に
以上、イエロードッグプロジェクトについての紹介記事でした。
日本でも、早くこの運動が広まってくれるといいなと思います。
とはいえ、この運動が広まっていくには、まだまだ時間がかかってしまうのかなとは思います。
犬を飼っていない犬好きの方もいらっしゃるわけですし、そういった方がイエロードッグプロジェクトについて知る機会はまずないでしょう。
でも、諦めたらそこで試合終了!
SNSが発達している時代ですし、イエロードッグプロジェクトに賛同した方一人一人が少しずつ動いていくことで、裾野は広がっていくのかなと思います。
僕も、Twitterを活用したりして少しでも貢献できるようにしていきたいと思います!
ちなみに、イエロードッグプロジェクトについての動画も作成してみました。
よろしければ是非。