メス犬がマウンティングする理由は?やめさせるための対策も解説

メス犬がマウンティングする理由は?やめさせるための対策も解説 犬の習性

「女の子なのに、どうして腰を振るような仕草をするの?」と、愛犬の行動に驚いたり、恥ずかしい思いをしたりしている飼い主さんは少なくありません。

マウンティングはオス特有の行動と思われがちですが、実はメス犬にとっても日常的に見られる自然な仕草の一つです。

あ、どうも! 『マノミリパパ(@rokurou_mano)』です。

我が家のカニンヘンダックス姉妹、ブラックタンの「マノ(♀・3.5kg)」とシルバーダップルの「ミリ(♀・3.8kg)」も、ぬいぐるみや布団、枕などを相手に、マウンティングすることがあります^^;

結論、メス犬がマウンティングをする理由は性的な衝動だけでなく、興奮、ストレス、あるいは遊びの延長など多岐にわたります。

この記事では、最新の動物行動学の考え方に基づき、メス犬がマウンティングをする心理的な背景から、対象物に込められた意味、そして飼い主さんや他人にマウンティングをしてしまう時の具体的な対策まで詳しく解説します。

愛犬の心の声を正しく理解して、適切なコミュニケーションを取るためのガイドラインとして活用してくださいね!

マウンティングとは何か?

マウンティングとは、犬が他の犬や人間、あるいはぬいぐるみやクッションなどの対象物にまたがり、腰を振るような動作をすることを指します。

この行動は、多くの飼い主さんにとって「交尾の真似事」という性的なイメージが強いものですが、犬の世界ではそれ以外の重要な意味を持つ多機能なコミュニケーションツールとして存在しています。

動物行動学において、マウンティングは「性行動」としての側面だけでなく、「社会的行動」や「転位行動(ストレス解消)」といった複数の役割を持つと考えられています。

家庭で暮らすメス犬の場合、繁殖を目的とした性的な動機よりも、日常生活の中で生じる感情の起伏を表現するためにマウンティングが用いられるケースが多く見られるのが特徴です。

また、マウンティングは決して問題行動や異常な性質を示すものではありません。

子犬が兄弟犬と遊ぶ中で社会性を学ぶプロセスとしても現れますし、成犬が自分の感情をコントロールしようとする際にも見られます。

まずは、マウンティングという行動そのものを「愛犬が何かを伝えようとしているサイン」として、フラットな視点で捉えることが大切です。

メス犬がマウンティングをする主な理由と心理状態

メス犬がマウンティングを開始する瞬間には、その背景に特定の感情や環境要因が隠れていることが一般的です。

ここでは、メス犬に見られる代表的な5つの心理背景を深掘りしていきましょう。

過度な興奮や喜びによるエネルギーの発散

メス犬がマウンティングを行う理由としてよく挙げられるのが、楽しさがピークに達したことによる「興奮」です。

例えば、ドッグランで他の犬と激しく追いかけっこをした際や、大好きな飼い主さんが帰宅してテンションが最高潮になった際、その有り余るエネルギーの行き場としてマウンティングが選ばれることがあります。

これは、人間が嬉しさのあまり飛び跳ねたり叫んだりする感覚に近く、犬自身も無意識に感情を爆発させている状態と言えます。

我が家のミリも、新しいおもちゃを与えた直後などは、この「興奮型マウンティング」を見せることがあります。

ストレスや葛藤を抱えた際の「転位行動」

犬は、自分の思い通りにいかない時や不安を感じた時、全く関係のない動作をして気持ちを落ち着かせようとする「転位行動」を取ることがあります。

マウンティングもその一つです。

例えば、散歩に行けなくてイライラしている、来客があって緊張している、あるいは叱られて気まずい思いをしているといった状況で、メス犬がクッションにマウンティングを始めることがあります。

これは自分自身の葛藤をリセットし、メンタルバランスを保とうとするセルフケアの一種とも考えられています。

遊びの延長としての誘いやコミュニケーション

多頭飼いの家庭や犬同士の交流の場でよく見られるのが、遊びを誘うためのマウンティングです。

「ねえ、もっと遊ぼうよ!」という誘いのステップとして、相手の肩や腰に手をかける動作がマウンティングに発展することがあります。

メス犬同士であっても、追いかけっこの一環として交互にマウンティングをし合う姿が見られますが、これはお互いの信頼関係に基づいた健全な「遊び」の一部であることが多いです。

相手の犬が嫌がっていないのであれば、犬同士のコミュニケーションとして機能しています。

ホルモンバランスの変化による影響

メス犬のホルモンバランスの変化は、行動に影響を与える可能性があります。

未避妊のメス犬の場合、ヒート(発情期)の前後は本能的な衝動が刺激され、マウンティングが頻繁に見られるようになることがあります。

一方で、避妊手術を終えた後のメス犬でも、マウンティング行動が続く、あるいは新しく始まるケースもあります。

これには個体差がありますが、ホルモンの変化による気質の変化や、過去に覚えた「快感」や「習慣」が学習行動として定着している可能性も考えられます。

社会的な関係性や優位性の確認

マウンティングは、相手の犬に対して「自分のほうが優位である」と示したり、グループ内での立ち位置を確認したりするための社会的ジェスチャーとして使われることもあります。

ただし、近年の行動学では、これを単純な「支配欲」や「上下関係の誇示」と決めつけることには慎重な意見が多いです。

あくまで、その場の緊張感を和らげたり、お互いの関係性を探り合ったりするための複雑なコミュニケーションの一環として現れることがあります。

メス犬がマウンティングしていたらやめさせるべきか?

愛犬がマウンティングをしている際、反射的に「コラッ!」と止めてしまう飼い主さんは多いですが、実は必ずしも全てのケースでやめさせる必要はありません。

判断の基準は、その行動が「誰かに迷惑をかけているか」「犬自身の健康に害があるか」の2点に絞られます。

まず、自分一人でぬいぐるみやクッションに対して行っている場合、それが数分程度で終わる一過性のものなら、見守ってあげても構いません。
犬にとってはストレス発散やリラックスの手段になっているからです。

しかし、マウンティングが執拗で、対象物をボロボロにするほど激しかったり、生殖器が赤く炎症を起こしてしまったりする場合は、物理的な健康リスクがあるため制止すべきです。

また、相手が人間や他の犬である場合は、公共のマナーやトラブル防止の観点から、すぐにやめさせるのが基本です。

相手の犬が嫌がって喧嘩に発展したり、他人に不快な思いをさせたりすることは、飼い主としての責任問題に繋がります。

マウンティングを放置せず、適切な対応方法を身につけておくことは、愛犬が社会で円滑に暮らしていくために欠かせない教育と言えるでしょう。

マウンティングの対象に込められた心理と本当の意味

メス犬が何を対象にマウンティングを行うかによって、その時々の欲求や対象への執着度が異なります。

相手へのアプローチなのか、それとも自分自身のケアなのか、対象別の意味を整理しましょう。

対象物 主な心理背景 考えられる意味と対応
飼い主の腕・足 注意要求・親愛・興奮 「自分を見て!」という強いアピール。構ってほしいという甘えが勝るケースが多い。
ぬいぐるみ・クッション 興奮の発散・転位行動 高まった感情をリセットする行為。依存しすぎないよう刺激の調整が必要。
他の犬 遊び・社会的コミュニケーション 関係性の確認や遊びの誘い。相手の反応を見極め、トラブルを避けるべき場面。

このように、メス犬のマウンティングは「支配」という一言で片付けられるものではありません。

家庭犬におけるマウンティングの多くは、エネルギーの発散や飼い主さんへの注意要求、あるいは一時的な葛藤からくるものだという理解が広がっています。

「私のことを下に見ているんだわ!」とショックを受ける必要はありません。
むしろ、「この子は今、自分で感情をコントロールしきれない状態なんだな」と冷静に分析してあげることが大切です。

犬にマウンティングされやすい人とやめさせるための対策

「なぜか特定の人だけによくマウンティングをする」という現象はよく起こります。
これには理由があります。

オペラント条件づけの理論に基づいた、効果的な4つの対策を紹介します。

【オペラント条件づけとは?】
行動の結果(報酬や罰)によって、その行動を繰り返す頻度が変化する学習のこと。

反応を「無報酬」にするタイムアウト法

犬にマウンティングをされやすい人の特徴は、「何らかの反応を返してしまうこと」です。
マウンティングをされた時に驚いて声をあげたり、手で押し返したりすると、犬は「構ってもらえた!」と報酬として受け取ってしまう場合があります。

対策として有効なのは、マウンティングを始めた瞬間に「無言で立ち上がり、その場を離れる」というタイムアウトです。

一切の視線や声を遮断し、数分間放置することで、犬に「マウンティングをしても何も良いことが起きない(注目を得られない)」ということを学習させます。

代替行動を指示して興奮をリセットする

マウンティングが始まってから止めるのではなく、その「前兆」を捉えて先手を打つ方法です。

犬はマウンティングをする直前、目がランランと輝いたり、対象を抱きかかえるような予備動作を見せたりすることがあります。

そういった前兆があった瞬間に、「オスワリ」や「フセ」といった得意な指示(コマンド)を出し、犬の意識を別のタスクに向けさせてください。

指示に従えたら、マウンティングとは無関係な形でたっぷりと褒めてあげましょう。
別の適切な行動をさせることで、マウンティングの選択を未然に防ぎます。

運動や知能遊びによるエネルギーの適切な発散

エネルギーが有り余っていることも、マウンティング増加の要因となります。

日々の散歩の質を高める、あるいはドッグランで思い切り走らせるなどの運動量を確保しましょう。

また、体力だけでなく「脳」を疲れさせることも重要です。
おやつを隠して探させるノーズワークや知育玩具を活用し、知的な欲求を満たしてあげることで、興奮しにくい穏やかな精神状態を保てるようになります。

我が家のミリも、運動と知育のバランスを整えてからは、ぬいぐるみへの執着が明らかに減りました。

接し方のルールを統一する

来客や家族の中で特定の人が狙われる場合、その相手が「犬の興奮を受け入れてしまう接し方」をしていることが多いです。

マウンティングをされやすい人は、犬と接する際に「落ち着いたトーンで話す」「犬が興奮している時は触らない」というルールを徹底してください。

家族全員が同じ対応をとることで、犬は「マウンティングは誰に対しても通用しない行動だ」と理解するようになります。

犬が落ち着いている時だけ褒める、というメリハリをつけることが、健全な関係性を築く鍵となります。

まとめ:メス犬のマウンティングは「心の状態」を映すサイン

メス犬のマウンティング行動は、飼い主さんに対する「今の私の心の状態を見て!」というメッセージかもしれません。

最後に、愛犬の行動を見守るためのポイントを整理しましょう。

✅ 愛犬がマウンティングをした時の確認リスト

  • 状況: 楽しすぎているのか、それとも不安や退屈を感じているのか?
  • 対象: 飼い主の腕か? 特定のぬいぐるみか?
  • 一貫性: 家族全員が「マウンティングには無反応」を徹底できているか?
  • 健康面: 生殖器付近に汚れや炎症がないか、清潔に保てているか?
  • 満足度: 日々の散歩や遊びで、心と体のエネルギーを発散できているか?

メス犬のマウンティングは、決して恥ずべきことではなく、愛犬の「興奮度」や「ストレス度」を確認するための指標でもあります。

飼い主さんが冷静に対応し、適切なエネルギーの発散方法を教えてあげることで、愛犬との絆はさらに深まっていきます。

焦らず、愛犬のキラキラした瞳に寄り添ったペットライフを楽しんでくださいね!