愛犬が今何を考えているのか、どんな気持ちなのか、知りたいですよね。
どうも!
『マノミリパパ(@rokurou_mano)』です。
「犬が喋っている言葉を翻訳する機械」みたいなものも販売されていますが、あくまでお遊び的なものであり、本当に気持ちがわかるわけではありません。
では、犬が何を考えているか知ることは不可能なのかと言いますと・・・
一つだけ方法があります。
それは、『カーミングシグナル』について詳しくなるという方法です。
僕は、どうしても愛犬たちの考えていることが知りたかったので、カーミングシグナルについて調べまくりました。
その備忘録として、ここに残しておこうと思います。
あくびをする、くしゃみをする、体をブルブルさせる、まばたきする、などなど。
犬は、様々な方法で自分の気持ちを表しています。
愛犬の考えを理解するためにも、是非カーミングシグナルの意味を知っていただければと思います!
ありがとうワン♪ わたしの伝えたいことを理解してくれたら最高だワン♪
カーミングシグナルとは
まず、カーミングシグナルとは何なのか?
一言で言うと、『犬が、相手とコミュニケーションを取ろうとして起こす行動』です。
自分が今どういう状態か、何を考えているか、どういう思いでいるか、といったことを行動によって伝えることで、相手や自分自身を落ち着かせようとするのです。
犬種による違いはなく、どんなワンちゃんでもカーミングシグナルはほぼ同一となります。
余談ですが、カーミングシグナルという言葉はノルウェーの犬の調教師である「ルーガス」という人が作った造語とのこと。
このルーガスさんによると、カーミングシグナルは少なくとも30個弱あるとされています。
犬がカーミングシグナルを正しく出せるようになるために
パピーの頃に他の犬と関わる機会が少ないと、このカーミングシグナルを正しく出せなくなることもあります。
獣医師さんやしつけ教室の先生からも、
子犬の頃に、できるだけ多くの犬と人に関わらせてください。
・・・と、よく言われました。
目安としては、予防接種を受けて散歩ができるようになってからの2か月で、100人からエサを与えてもらうように、とのことでした。
もちろん、犬ともそれくらいの数と接した方がよいでしょう。
「2か月で100人」と聞くと大変に思えてしまいますよね・・・
実際、ウチもこの数字は達成できませんでした><
しかし、これはあくまで目標の数字ということで、それだけパピーの頃にいろいろな刺激を与えてあげることが重要だということです。
自分がカーミングシグナルを正しく出せるようになるのも大事ですが、相手からのカーミングシグナルを正しく受け取れるようになることも大事です。
そういったことができるようになるためには、やはり小さな頃から多くの人や犬と触れ合うことが必要です。
犬のカーミングシグナル一覧
30個弱あるとされるカーミングシグナルですが、ここでは、その中でもよく見られるものについて紹介していきます。
あくびをする
あくびは、犬の代表的なカーミングシグナルの一つです。
眠い時にもあくびはしますが、眠くなるような状況ではないのにあくびをしている時は、カーミングシグナルとしてのあくびである可能性が高いです。
犬は、ストレスを感じた時に、そのストレスを軽減しようとしてあくびをします。
人間でいうところの「ため息」ですね。
ため息は深呼吸のようなものなので、リラックス効果があります。
犬の場合も、同じような効果を求めてあくびをしているのです。
また、相手に「落ち着いて」というサインを送っている場合もあります。
愛犬を叱っていると、あくびをされることがありませんか?
そんな時は、
飼い主さん、ちょっと落ち着いて!
というサインを出しているわけです。
・・・と同時に、叱られている自分のストレスも逃がしている、というわけですね。
視線を逸らす
犬同士の場合、いきなり目が合うと「挑発している」と受け取られてしまうことがあります。
人間で言うところの「ガンをつける」というやつです。
目が合うと、「何見てんだよ!?」とケンカ腰に来る人もいますよね^^;
犬の社会でも、そういうことがあるわけです。
そして、そうした好戦的な犬との争いを避けるために、「敵意はありませんよ~」という大人の対応をするのが、視線を逸らすというカーミングシグナル。
これは、人間もやりますよね。
怖い人が来たらさっと目を背ける、と。。。
適切な社会性を身に付けている犬は、むやみに視線を合わせず、無用な争いは避けるものです。
また、「目を細める」「まばたきが多くなる」といった行為も、同じようなカーミングシグナルです。
くしゃみをする
カーミングシグナルとしては意外と知られていない「くしゃみ」。
「ほこりっぽいところを嗅いだ後にくしゃみをする」
こういったくしゃみは生理現象であることがほとんどですが、その他の場合のくしゃみは、カーミングシグナルである可能性が高いです。
これは、緊張や興奮を抑えようとしているサインとなります。
他のカーミングシグナルと違うのは、意図的に出しているというより、精神状態に応じて自然と出てくるシグナル、というところです。
緊張や興奮には、嬉しいことも嫌なことも含まれるので、くしゃみをしたからといって喜んでいるのか嫌がっているのかまでは判断できません。
犬は、散歩中に苦手なワンちゃんと会っても緊張感から興奮しますし、久しぶりに飼い主に会えた時も嬉しさで興奮します。
従って、状況を鑑みつつ飼い主の方でどういうくしゃみだったのかを判断していくとよいでしょう。
体を掻く
「あぁ~もう!」
「いい加減にしてよ!」
・・・という時、人間でも頭をボリボリ掻いたりしますよね?
これの犬バージョンが、後ろ足で体を掻く行為です。
犬が眠たいのに無理やり構おうとしたり、何十分もしつけをしようとしたりすると、体を掻くカーミンシグナルが出やすいです。
特にしつけ時間については注意が必要です。
犬の集中力は10~15分程度しかもたないので、あまり長くしつけを続けても意味がありません。
そういう時に、
もういい加減にして!
というアピールのために、体を掻いたりします。
体をブルブルする
頭から体まで、全身をブルブルとする犬定番の行為。
「体についたホコリや汚れを飛ばそうとしてるのかな?」と思いがちですが、この行為にも犬からのメッセージが詰まっていることがあります。
主には、体を掻く行為と同様、「もういい加減にして!」というアピールの意味が強いです。
あとは、「ストレス解消」も含まれています。
ああいった派手な動きをすると、なんだかスッキリしますよね。
特に汚れたわけでもないのに犬が体をブルブルと振った後は、あまり構わないであげた方がよさそうです。
周囲のにおいを嗅ぎまわる
床や、近くにある物などをフンフン・クンクンと嗅ぎまわる行為。
情報収集として行なう場合も多いですが、慣れた場所でにおいを嗅ぎまわっているようならば、カーミングシグナルとしてのものでしょう。
それが意味するところは・・・
あのね・・・ 今、アナタにそんなに興味ないの。 そして敵意もないの。 だから放っておいて。
これです。
要は、あまり構って欲しくないということですね。
その他にも、
■狼時代の名残で、無用な争いを避けるために無関心を装う
というサインでもあるようです。
いずれにせよ、地面を嗅ぎまわっている時にはあまり構わないであげた方がよいでしょう。
お腹を見せる
これは、犬に限らず動物ならばよく聞く話ですよね。
お腹というのは、柔らかく急所となる部分。
そんな場所を無防備に相手に見せるということから、
■争う気はない
ということを表現しています。
特に飼い主に対しては、頻繁にこのカーミングシグナルが発動されます。
愛犬からの信頼の証であるお腹見せは、飼い主冥利に尽きる瞬間です。
飼い主の顔を舐める
犬が飼い主の顔を舐めるのは、主に愛情表現のためです。
飼い主さん、好き好き♪
と言ってくれているわけですね。
これもまた、飼い主として至福の時です。
ただ・・・
最近では、犬との濃厚接触はやめるべきという警鐘が鳴らされていますよね。
よって、どうするかは自己責任で選択すべきかなと。
ちなみに我が家では、普通にペロペロを受け入れています。
その他、犬のペロペロには色々な意味があります。
そのあたりについては、以下の記事にまとめてありますので、よろしければご参考下さい。
伏せをする
伏せが意味するのは、
■自分や相手を落ち着かせようとしていること
というのがメインとなるカーミングシグナルです。
あとは、「退屈」「つまらない」「不満」を表すために行なうこともあります。
こういった場合は、伏せをしながら上目遣いで飼い主をうらめしそうに見ていることが多いですね。
我が家の愛犬マノ(♀)の場合は、うれションが激しかったので家の中でもオムツを履かせていた時期があったのですが、オムツを履かせ始めた当初は、履かせ終わるとすぐに伏せをして上目遣いでこちらを見ていました^^;
納得がいかなかったんでしょうねぇ。
「なんでワタシにこんなものを履かせるの!」みたいな。
■カニンヘンダックスのマノ(♀)
弧を描くように相手に近付く
初対面の犬同士でよく見られる光景ですよね。
互いに弧を描くように近付いている様子、見たことがないでしょうか?
これは、相手に対して敵意がないことを示しながら、相手のお尻のにおいを嗅ごうとしているのです。
犬は、相手のお尻のにおい(正確には肛門腺のにおい)を嗅ぐことで、どんな相手かを確かめようとします。
この際、直線的に近付くと「敵意がある」と見なされてしまうことがあるので、弧を描くように近付くわけです。
前足を片方だけあげて空中で動かす
これは、相手に構って欲しいということを表すカーミングシグナルです。
飼い主に対して、愛くるしい顔をしながら前足を宙で動かしているシーン、見たことがないでしょうか?
どんなに忙しくてもついつい遊んであげたくなってしまう、たまらかく可愛い仕草です。
伸びをするようにおしりの方を上げる
上半身をかがめておしりを上げる仕草。
これは、「遊んで欲しい」というカーミングシグナルです。
我が家の愛犬、シルバーダップルのミリ(♀)による実演画像を掲載しますと。
こんな感じです。
この体勢で尻尾をブンブン振っていれば、ほぼ間違いなく遊びに誘われています^^
口を半開きにする
暑かったり疲れていたりするわけでもないのに、口を少しだけ開けて牙が見える状態にしている時は要注意です。
かなりイライラきている証であり、歯をむく直前の状態であることが多いです。
怒っている、もしくは怖くて威嚇しようとしている状態なので、こういう犬には近付かないであげるのが思いやりです。
おしっこをする
犬や人を目の前にしてするおしっこは、相手に対して敵意はないことを表しています。
特に、「うれション」と呼ばれる尻尾を振りながらチョロっとだけでてしまうおしっこについては、相手に対して強い親愛の情を持っているというサインとなります。
カーミングシグナルを知ることの重要性
愛犬との円滑なコミュニケーションや、他の家のワンちゃんを触っても大丈夫そうかどうかの判断に役立つカーミングシグナルですが、それ以外にも「正しいしつけを行なうことができる」というメリットもあります。
例えば、愛犬が悪いことをした時にしつけとして叱ることがあると思います。
この時、あくびをしたりそっぽを向いたりされると、「無視してる」・「鬱陶しそうにしている」と勘違いしてしまい、余計に声を荒げて叱ってしまうということもあるでしょう。
しかしカーミングシグナルを理解していれば、「怒られていることはわかっているのだな」と理解することができ、そのまま冷静に叱ることができます。
しつけのために、駄目なことは駄目だと教えなければなりませんが、無駄に怒鳴り散らしたりしても効果はありませんし、むしろ逆効果になってしまうこともあります。
ワンちゃんは、あくびをしようとそっぽを向こうと、飼い主の言うことをしっかり聞いています。
従って、犬にどういう態度を取られようともいつも通り冷静に叱ればいいのです。
カーミングシグナルと本能の区別も意識する
犬の動き一つ一つに対して、それがカーミングシグナルなのか、本能や生理現象によるものなのかを判断できるようになることも大事です。
例えば犬のあくびは、必ずしもカーミングシグナルとは限りません。
ただ眠いだけということもあれば、ストレスを感じているというカーミングシグナルである場合もあります。
地面をクンクンするのも、本能による情報収集のためのクンクンなのか、気分を落ち着かせようとしているカーミングシグナルなのか、パっと見ではわかりません。
しかし、愛犬の性格や行動をじっくり見ていると、同じ動作であっても、本能によるものなのかカーミングシグナルなのかがわかるようになってきます。
日々、愛犬の観察を怠らないことで、ある程度の意思疎通が可能となります。
最後に
「犬と会話ができる」。
犬を飼っている人にとっては究極の夢ですよね!
会話とまではいかなくとも、カーミングシグナルを知れば犬と会話をするという夢に少し近付くことができます。
犬との円滑なコミュニケーションのためにも、是非一つでも多くのカーミングシグナルを覚えておくとよいと思います!